【病態と原因疾患】
体が回る感じなど、運動性の感覚を伴うものをめまいといい、フラフラするなど、
体の不安定な感覚をめまい感という。
めまいは、平衡感覚を保つ系統のいずれかの部分が障害されることで起こる。
めまい感は、平衡感覚の障害がなく、一過性の脳循環器障害(貧血、高血圧症、自律神経失調症など)により起こると考えられている。
器質的疾患に伴うめまいやめまい感は、専門医による原因疾患の治療を優先させる必要がある。
指圧療法の適応となるのは、自律神経失調症によるめまい感や、メニエール病によるめまいなどである。
器官の障害部位による分類を以下に示す。
大脳皮質性めまい:てんかん発作の前兆
眼筋性めまい:眼筋麻痺による複視と眼筋内の固有知覚の変調
小脳性めまい:小脳腫瘍、脳炎、血管障害、多発性硬化症
耳性めまい:メニエール病、中毒性迷路障害、小脳橋核部腫瘍、耳帯状疱疹
脳幹性めまい:脳血管障害、腫瘍、外傷、脳炎、多発性硬化症
【治療方針】
内耳や脳の循環改善を図る。
【施術例】
①仰臥位にて、後頚部に重点を置いた頸部全体の操作を行う。
特に、上項線に沿って入念な施術を行い、硬結を取り除く。
②仰臥位にて、上肢の施術を行う。
③仰臥位にて、下肢の基本操作を行う。
④伏臥位にて、肩甲間部~足底部までの基本操作を行う。