冷えは、臨床現場では、頻繁に遭遇する症状である。
四肢や腰背部など体の一部が冷える感覚のことを指し、その程度の差はあれ、様々な疾患で出現する症状である。
そのため、器質的疾患が存在する冷えに対しては、専門医による原因疾患の治療が必要である。
指圧療法の適応となるのは、自律神経失調による血管運動調節の異常に起因するものである。
原因疾患としては次のようなものがある。
造血機能異常によるもの:貧血
血管の狭窄や閉塞によるもの:大動脈炎症症候群、バージャー病
血管運動異常によるもの:自律神経失調症
①仰臥位にて、腹部の施術を行う。
特に腹大動脈の拍動を確認しながら、脈動が柔らかくなるまで施術を行う。
②仰臥位にて、鼡径部~下肢の基本操作を一通り行う。
特に鼡径部では、大腿動脈拍動部を入念に、脈動が柔らかくなるまで施術を行う。
③仰臥位にて、上肢の基本操作を行う。
特に腋窩部では、腋窩動脈拍動部を入念に、脈動が柔らかくなるまで施術を行う。
④仰臥位にて、頭部の基本操作を行う。
特に、頭部正中線6点目(百会穴相当部位)は入念に施術を行う。
⑤伏臥位にて、肩甲上部~足底部の基本操作を行う。