【病態】
退行変性を基盤に、関節軟骨の摩耗、骨棘形成、膝関節周囲の軟部組織の炎症、大腿四頭筋の委縮などが起こることにより発症する。
中高年の女性に多い。
【症状、所見】
歩行痛、正座痛み、階段昇降時痛、動作開始時痛、
立ち上がり痛などがみられる。
進行すると、内反変形、膝関節の腫脹、大腿四頭筋の委縮がみられる。
【理学検査】
靭帯や半月の損傷との鑑別のために、
理学検査を行う。
【治療方針】
膝関節の消炎、鎮痛を図り、血液循環を促進する。
また、関節変形の予防と進行の防止、関節可動域の拡大を目的とする。
【施術例】
①伏臥位にて、膝窩部の特徴的硬結へ施術する。
膝関節屈曲位で操作を行うと深部の硬結に施術することが可能となる。
②伏臥位にて、大腿後側部、下腿後側部の基本操作を行う。
③伏臥位にて、肩甲上部~臀部までの基本操作を行う。
④仰臥位にて、鼡径部~下肢外側部までの基本操作を行う。
特に大腿前側部は、内側広筋部、大腿直筋・中間広筋部、外側広筋部の3線の施術を入念に行う。
⑤仰臥位にて、腹部、上肢、頸部の操作を行う。