耳鳴りは、下界からの音刺激がないにもかかわらず生ずる音感覚である。
大別すると、非振動性と振動性の耳鳴りに分かれるが、外耳より大脳皮質に至る聴覚路のうち、いずれの部位の障害によっても起こる。
原因疾患としては次のようなものがある。
外耳疾患:耳垢塞栓、外耳道異物
中耳疾患:急性および慢性化膿性中耳炎、上鼓室炎
内耳疾患:内耳炎、メニエール病、薬物中毒、老人性難聴、職業性難聴
後迷路性、中枢性障害:聴神経腫瘍、髄膜疾患、脳腫瘍
全身性疾患:高血圧症、低血圧症、貧血、動脈硬化症、甲状腺機能亢進症など
耳鳴りもまた、器質的疾患が存在する場合は、専門医による原因疾患の治療を優先させる必要がある。
指圧療法の適応となるのは、聴力障害を伴わない無難聴性耳鳴りやメニエール病に伴う耳鳴りである。
①患側側の横臥位にて、乳様突起周辺の特徴的硬結に対して施術する。
②横臥位にて、基本操作を一通り行う。
③伏臥位にて、肩甲上部~足底部の基本操作を行う。
④仰臥位にて、下肢の基本操作を行う。
⑤仰臥位にて、上肢の基本操作を行う。
⑥頭部、顔面部、胸部、腹部の基本操作を行う。