【肩こり】
肩こりは、後頚部から肩甲部にかけての筋のこわばり、不快感、違和感、鈍痛などの不快な症状を総称したものであり、様々な疾患の随伴症状として出現する可能性がある。
指圧療法の適応となるのは、専門医の処置を必要とする器質的疾患の存在がない場合であることが前提となる。
【病態】
精神的緊張、自律神経の影響、主動作筋と拮抗筋との筋のアンバランス、過剰使用による筋疲労などの要因が複雑に絡み合う。
現在では、過剰使用による筋疲労に起因するものより、VDT作業や精神的ストレスなどに起因するものが多い。
【症状】
後頚部から肩甲間部にかけてのこわばり、違和感、痛みなど。
程度によっては、頭痛、上肢痛、顔面痛などの原因になることもある。
【所見】
筋緊張の圧痛、硬結の他には、際立った所見はない。
【治療方針】
頸肩背部の血流改善と周辺部の筋のバランスをとり、筋緊張を緩和させる。
【施術例】
1 触診により、こりが強く張っているのか、索状であるのか二つを大別する。
2 索状を呈する筋に対し、軽い抵抗運動をさせる。
3 強い張りを呈する筋を押圧する。
4 一通り全身指圧を行う。
*肩こりは、主動作筋と拮抗筋のバランスを整えるような施術を行うことで、過度の刺激を加えることを避けることができため、もみ返しなどを防ぐことが可能となる。