【病態】
手の過度使用による機械的刺激、関節リウマチ、結核、
細菌などにより、腱鞘に炎症が起こる。
このうち、手の過度使用による機械的刺激が原因になるものが、
指圧療法の適応となる。
手の伸筋腱鞘の第一区画の腱鞘炎をドゥ・ケルバン病、
屈筋腱腱鞘炎をばね指(弾発指)と呼ぶ。
【症状】
障害される腱鞘が通過する各区画に一致した疼痛がみられる。
例えば、ドゥ・ケルバン病では、母指の基部から手関節橈側にかけての疼痛が起こる。
屈筋腱腱鞘炎では、MP関節掌側の疼痛が起こる。
また、屈筋腱腱鞘炎では、MP関節部での腱鞘の狭小化が起こり、
指の屈伸運動の際に弾発現象を起こすことがある。
【理学検査】
フィンケルステインテスト:ドゥ・ケルバン病で陽性
【治療方針】
血流改善と共に、
腱鞘を通過する筋の筋緊張を緩和し、
消炎を図る。
【施術例】
①腱鞘を通過する筋を前腕部で押圧する。
②前腕内側部、前腕外側部を入念に押圧する。
③患側上肢へ基本操作を行う。
④全身操作を行う。