野球肩

  

 

【概要】

 

投球動作に伴う過度使用により、肩関節周辺の筋群が浮腫、炎症を、変性などを起こし、圧痛や運動痛を呈するものの総称である。

 

要因は様々であり、鑑別が必要となる。投球動作は、ワインドアップ期、コックアップ期、加速期、リリース期、フォロースルー期より構成されている。

 

それぞれの期が肩関節のどのような動きが複合されて起こるか、またどの筋が緊張するかを考慮して、痛みが出る期を割り出して、罹患筋を特定する必要がある。

 

 

【診察】

 

以下の理学検査を行い、その所見より判断する。

 

ヤーガソンテスト:上腕二頭筋長頭腱炎で陽性

 

ストレッチテスト:〃

 

スピードテスト:〃

 

ダウバーン徴候:肩峰下滑液包炎、三角筋下滑液包炎で陽性

 

ペインフルアークサイン:棘上筋肩損傷で陽性

 

インピンジメントサイン:〃

 

その後、筋の触診(三角筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋など)を行い、筋緊張を確認する。

 

 

【施術例】

 

  1. 仰臥位にて、肩関節を90°外転させ腋窩の後壁を構成する筋(大円筋、広背筋)を施術する。

  2. 仰臥位にて、上腕内側部の施術で、上腕三頭筋を施術する。

  3. 仰臥位にて、肩関節を45°外転させ、腋窩部から肩甲下筋を施術する。

  4. 仰臥位にて、三角筋胸溝、三角筋前部、三角筋中部を施術する。

  5. 仰臥位にて、手関節を持ち、肩関節を他動的に回しながら、細かい硬結に対して、施術する。

  6. 伏臥位にて、棘上筋、棘下筋、上腕三頭筋に対して施術する。

  7. 伏臥位にて、肩甲骨内側縁で菱形筋、前鋸筋などに施術する。

 

 

【予防】

 

肩関節の障害は、野球だけではなく、オーバーヘッドスポーツであれば、比較的発症しやすい。

 

例えば、バレーボール、ハンドボール、水泳、テニスなど様々な競技で遭遇するスポーツ障害である。

 

しかしながら、日々適切な処置をすることによりその発症を防ぐことができる。

 

最も重要なことは、練習や試合後のアイシングである。

 

アイシングの時間は、使用頻度により若干の調整は必要であるが、1015分程度が適当かと思われる。

 

また、ゴムチューブを用い、インナーマッスルの強化を行うことが不可欠である。

 

インナーマッスルの強化を行うことで、肩関節の運動時の安定性が増し、障害の起こりにくい状態がつくりだせる。