
この本は、学校の後輩で、今はダヴィンチ指圧治療院のスタッフのMさんの本でした。

学校の図書館は、非常に医療系の本が充実していて宝庫だった。
ある日の午後、日本指圧専門学校の図書館で読んでいると、「みつけた!!!」と嬉しくなり、謎が解けた本でもある。
整体師のころ、左拇趾(左外反母趾)が痛くて、左頸椎症もつらくて、足と首には関連があると身体ではわかっていたけれど、うまく関連付けて施術ができなかった。
そして、関連痛の説明がされている本になかなか出合えなかった。
P68に脊柱と足底の傾向図・関係図があり、説明がされていた。ーーー足底の柔軟性が低下すると背中も柔軟性が低下する。背中が硬くなると足底部も硬くなると、密接に関係があります。
ちなみに浪越 徹先生は、(昭和28年 日本大学芸術学部卒業後、米国アイオワ州ダベンポートにあるパーマースクールの招聘で父浪越徳治郎と共に渡米。日本の指圧を指導、講演。引き続き4ヶ月間にわたる米国各地において指圧の普及活動後、そのままパーマースクールに留学し、約7年間米国での指圧普及に努める。)とありますように、はるか昔にカイロを学ばれて指圧に取り入れて、世界各地に指圧を英語で紹介してくれた第一人者であります。ーWebより抜粋。

P29では、図4で圧を頸椎棘突起に向ける、と目安がある。
なかなか指圧技術を口で伝えたり説明することは難しいのですが、浪越徳次郎先生たちは、誰がやっても効果がでる、それが指圧の科学であると述べています。

P31
前頸部のショートニング、リラクゼーション、ストレッチングの図があります。
肩こり治療に必要な頸部頸椎の安定化についての記述もあります。
浪越指圧は、頸部の治療にとても効果を発揮します。
指の音指圧では、ワイヤーロープシステム不良(頸部筋群相互作用)やFHP(頭部前方突出位)などが目立つ人に対して、肩こり治療をしていきます。
具体的には、前後左右に傾いた頸椎が安定するように、頸部筋(多裂筋・回旋筋・棘間筋・頸最長筋・斜角筋・胸鎖乳突筋・肩甲挙筋・僧帽筋)を操作していきます。
片側が過緊張状態(もう片方が弛緩・伸張状態)になっているので、圧操作を入れていきます。
片側に過緊張状態があると、頸椎の垂直方向は不安定に、深層筋群は支持性が低下しています。
安定性を高め、支持性の向上、疲労状態の解放、頸椎が円滑に動くように、頸部筋の操作をします。
FHPでは、過緊張状態(後頭下筋群、肩甲挙筋、僧帽筋上部線維、小胸筋)や筋力低下(椎前筋、僧帽筋下部線維、菱形筋)などがみられます。
FHPでは、頭が前方に垂れていますので、顎を後ろにひいたり、手で静かにしてという「シー」というポーズが難しくなります。
頭が突出して頸椎全体が前方変位になり、後頚部が過伸展位になります。
そこで姿勢を意識したりする癖を身につけてもらい、筋力低下した筋群を運動して鍛えることも促します。
筋力低下(弱化)した頸部深層の屈筋群である椎前筋を鍛える方法は、上向き(仰臥位)で負担が少ない姿勢や座位で行います。
また、同時に指圧では自律神経調整も行っているため、リラクゼーション効果や深い呼吸が期待されます。
私もFHPになりやすく、パソコン作業や運転中に姿勢に気をつけ、時に気合で骨盤を起こして腹圧を高めています。
マツヤーサナ(魚のポーズ)やラクダのポーズ、コブラのポーズ、ヨガムードラなどで丸くなった腰や背中を伸ばします。
ウルドヴァ・ダニュラーサナ (上向きの弓のポーズまたは車輪のポーズ)は、バランスボールを使ってしています。
http://yogajo.jp/pose/detail/77.html

P125坐骨神経痛側弯についての記述
患側側に負担がかかり、慢性化すると無意識に痛みを避ける姿勢をとるため、健側に上体を傾けやすくなります。
姿勢をみるポイントの一つです。

P117
脊柱をつくっている椎骨についても記述があり、図57肋骨隆起や脊柱のねじれなども姿勢改善の参考になります。
指圧師は、なかなか脊柱の回旋・側屈・前後屈など感じず、考えず、筋肉の硬さばかり追い求めている人が見受けられます。
それでは、浅い指圧になってしまい、私には物足りません。
指圧で脊柱操作ができるためには、たくさんの学びが必要ですね。

裏表紙をみてみると、1985年初版で第二版は1999年となっており、貴重本。
新品状態であり、高かった本を、Mさんは「持って行きんしゃい!」、「持って行ってちゃ」と、なぜか方言を使ってくれて、差し出してくれた。
Mさんに、感謝しています。
Mさんの家もトレーニング室があり、そこで深夜まで骨模型をみながら練習をしたものです。
いつもジャズを流してくれて、蜜柑やお茶菓子を用意して、もてなしてくれました。
珍しい本や読みたい本がたくさんあって、お借りして勉強させて頂いた。
心地よい空間がありました。
場が高い、エネルギーが高いお部屋でした。
いつかMさんに九州に遊びにきてもらい、方言を浴びてもらいたいですね。
北九州も田舎もよかとこばい。
コメントをお書きください