指圧の話 3 前頸部について 八幡西区・若松区の指の音指圧治療院

50歳男性 首の痛み

患者自身でどこが痛いか、どこが悪いのか自覚に乏しい。

仕事中毒、お酒中毒、タバコ中毒、糖質中毒で、身体のことを考えるが辞められない。

とにかく寝ても覚めても仕事のことを考えて生活している。

左前頸部がコチコチ。

これは、不眠気味の人・寝不足人の傾向でみられる。

二カ月前からいよいよ眠れなくなってきたらしい。

以前から不眠症ぎみであったが、夜中に起きてしまう。

相当、身体が硬くなっている。

 

リラックスタイムが足りていない。

 

病んでいる人の病んでいるところ(T3,4付近のL肩甲間部)を触ると、指の先がビリビリと自分の指に電気が走った。

経験を積んでいくと、そんな感覚が走るときがある。

 

 

 

私は、そういうときは指圧ではなく、按摩マッサージをしてしまう。

 

 

 

 お互いの体を守るため、蓄積されているものを按摩で散らしたりする。

 

 

 

さて、「指圧の評価即施術」とは?

日本で唯一の指圧専門学校:日本指圧専門学校の実技室には、指圧の「診断即治療」という言葉があり、看板が残っている。

 

 

 

指圧の神髄は、「診断即治療」である。

 

 

現代風にいえば、評価即施術である。

 

 

 

評価しながら指圧ができるということ。

 

 

 

浪越指圧では、前頸部から始まる。

 

 

 

では、前頸部で何がわかるのか?

前頸部から伝わるメッセージを理解できていない、どういう施術をすればいいのかイメージができていない指圧師が多いのではないか、と思われる。

左側の前頸部(筋)が過緊張状態にあるとします。*(基本指圧を行う指圧師であれば、左右指圧するので最低限左右差は顕著に手ごたえを感じるはずだ。)

 

 

 

前頸部より様々なことがビリビリと「見えないもの」が伝わってくる。

 

メスや機械を使わないで見えないものをみていくことが指圧である。

 

 

1 頭頸部を左傾してバランスをとっているとイメージする。

 

左側の筋が過緊張状態になっている場合、頸椎に加わる力は頸椎を傾ける左方に作用するため、頸椎の垂直方向の安定性低下がみられる。深層筋は、頸部支持のために益々働き続けなくてはいけない状態になり、筋疲労がおこる。すると、頸椎の動きが制限され、さらに頸椎の安定性が低下し、負担が増していく。

 

 

2 上肢も大根ぐらい重たい、左傾に影響しているとイメージする。

 

上腕や前腕の筋緊張状態や筋疲労をおこしている部分がある。そこが筋疲労していると、前頸部にも影響を及ぼす。交感神経の影響を受けやすい前腕屈筋群の調整を行う。

 

例えば心臓の影響がでやすい心経のラインを施術する。

 

「疲れが心臓にくる人の少衝(小指の先の親指側、つまり内側の爪と皮膚の境に目にある)のツボを圧します。なぜ心臓の痛みが小指の先までくるかといいますと、解剖生理学からみると、神経系統でつながっており、内臓体壁反射で解明できるのです。簡単にいえば、心臓の痛みが上胸部から上腕の内側を通って小指に達するわけです。少衝のツボの下を通る尺骨神経は、第7・第8頸神経を第1胸神経につながっており、これは脊髄を介して、そこからおこる交感神経である頸心臓神経胸心臓神経を経て心臓に達する神経なのです。ですから、少衝のツボを刺激することにより、そのツボの下にある尺骨神経を通って、前記の3つの脊髄神経につながり、脊髄に入ります。そして、交感神経(心臓の働きを活発にする神経)を通って心臓に働きかけるのです。よく心臓発作を起こすと指や腕を押さえますが、これはしびれに対する神経系統の生理学的な反応のわけです。」*日本指圧専門学校校長 石塚 寛「疲れ知らず蘇生ツボの秘密より」抜粋

 

 石塚先生は、S35千葉大学卒業、S50東邦大学医学博士、H5徳島大学教授、H11徳島大学名誉教授、H15より日本指圧専門学校校長歴任。解剖学記念公園→http://www.shiatsu-obog.com/news/130513_h24_kinenkouen.html

 

 

 

 

 

 

 

3 胸部屈筋群の短縮、過緊張、筋疲労がイメージされる。

 

 胸筋群が筋短縮して、前傾姿勢に加担作用している。胸筋とバランスをとるように、背部伸筋群が伸びて過緊張をおこしている。

 

 

4そして、胸鎖乳突筋 

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%B8%E9%8E%96%E4%B9%B3%E7%AA%81%E7%AD%8B#/media/File:Sternomastoid_muscle_animation_small2.gif

 

 

 

胸鎖乳突筋といった抗重力筋の過緊張状態からは、交感神経の影響を考慮しないといけません。交感神経の影響を受けやすく、硬くなりやすい特徴がある。胸鎖乳突筋には、トリガーポイントがよくみられる。私の場合は、胃経の人迎や起始部・付着部にある経穴やトリガーポイントに問題がでてくることが多い。

 

 

 

交感神経優位になった生活をしていると、筋肉は緊張して硬くなる性質をもっている。交感神経優位の生活とは、ストレスが多くかかった生活である。ストレスによる疲労の積み重なによるトリガーポイントは、無意識に蓄積されたため、探すのが困難である。スポーツによる筋疲労や肉体労働による疲労などは、身に覚えがあるため、原因を探すことが容易である。

  

また、筋の痛みは痛いと感じるところと実際に悪いところが違うので、原因筋を探すのに困難である。

 

 

5 他にも、頭頸部の安定性のために働いている筋バランスの破たんをイメージする。/ ホルモンバランスの崩れをイメージする。/ 腰部の負担増、腰椎可動性低下、筋・筋膜性腰痛などがイメージされる。

 

 

私は、基本施術では、腰痛の人にも前頸部から指圧開始である。

 

 

腰が痛いと通院して来る人にも、基本は前頸部から開始である。

 

 

 

東京で指圧の修業中、基本指圧(60分全身操作)を1万回、3年間だけは基本指圧だけで通した。

 

 

 

何があっても基本の習得、基本指圧の習得に励んだ。

 

基本動作ができないと応用もできない。

 

この人には、整体が良いだろう、ストレッチが良いだろうと思われる人でも、マッサージが希望の方でも整体技を封印して、指圧で通すと決めて、指圧の打ち込みを行った。

 

それは、指圧の追及をしたかったから。

 

浪越先生たちは、指圧のみで治療をしていたことから。

 

指圧師になりたかったから、指圧ができないのでは、意味がない。

 

浪越先生は、東京で按摩の免許を取得する時には、按摩の達人のところで住み込みで丁稚していましたから、按摩もなんでもできたと思われる。

 

打ち込んでわかった。

 

自分の意見ですが、私の指圧で通じる人は6割~7割ぐらいに感じた。

 

残りの3割~4割の人には、その人にふさわしい手法で対応したいと感じた理由は、たくさんあるが、過緊張状態にある筋を緩めるだけではだめで、筋力低下している部分はトレーニングが必要であったり、筋・筋膜の癒着をリリースしたり、脊柱調整したりと手技は変えていくのが私にはベストと思える。

 

いわば、ミクスチャーだ。

 

指圧+筋マッサージ+筋膜リリース+コアトレ+ヨガ+ストレッチ+様々な矯正方法を混ぜておこなうmix型。

 

 

さて、なんで浪越先生や大先輩たちは、基本指圧だけで改善させていくのだろうか?

 

 

なんで腰が痛いと通院してきているのに、前頸部から操作するのか?

 

 

3年間打ち込んで、「基本指圧の大切さ」「前頸部の大切さ」がわかった。

 

 

 

あるときは、〇ャネルのデザイナー関係者から「なんで前頸部をさわるのか?腰からやってくれ」と怒られたことがあります。指圧開始前に、インフォームドコンセプトを行い、全身操作に応じてくれたにも関わらず、です。

 

 

 

その〇ャネルの関係者事件は、もう一つ事件があります。浪越指圧は、最初は前頸部から始める。終わりは腹部指圧で終わります。腹部指圧の途中に、またそのデザイン関係者は「なんでお腹を触っているんだ?」と切れ初めました。お腹の指圧は、自律神経調整を行う上で大切な場所の説明を事前にインフォームドコンセプトで説明しており、また再度その説明をしました。すると、「俺は世界中のマッサージを受けているんだ。お腹は初めて触られた。お腹のマッサージなんてないんだ」と怒られました。唖然として、あっっそうですか、失礼致しましたと言って終わりました。ちょうど最後のところでよかったですが、もう2度とその方からの仕事はなくなりましたが、インフォームドコンセプトの大切さを思い知らされた事件です。

 

 

 

お腹の指圧は、大切な患者だけにしようと決めました。

 

 

 

根本原因を調整してほしい患者と指圧治療を求める患者だけに、この「長生きの秘訣の腹部指圧」を施すと覚悟したものです。

 

 

 

リラクゼーションマッサージしかしらない患者やリラクゼーションマッサージを求めている人には、腹部指圧や腹部マッサージをしても意味がない、効果が続かないことを実感した。

 

 

 

私の説明不十分だったのですが、指圧が身についていない時期は、そういうリクエストが多く発生した。

 

誤解してほしくないのですが、*たしかに、今、痛みで辛い、どうにかしてほしい人には応急手当も必要だけれど、そういう人たちにも、根本原因を探してもらいたい。

 

根本解決を目指して、生活習慣を見直してほしい。

原因は、自分にあり、治療家と患者がお互いに歩みよって、目指すべきものは、「健康な心体つくり」であるとしたい~。

 

病気になっても、精神が前向きで明るい人たちは健康だ。

 

僕には、大切な50年も寝たきりの患者さんがいる。

 

2回目ですでに、「俺と安部ちゃんの仲だから気にしないでいい~」と声をかけてくれた。

 

また数回目で、「俺の取柄は、健康だけ(だぜぃ!)」とお互い笑顔がこぼれ、勇気を頂いた。

 

訪問マッサージでは、こんな生き仏みたいな人たちから、勇気と人生の進むべき方向を照らしていただけることがある。

 

ありがとう。感謝しています。ごめんなさい。愛しています。

 

寝たきりでも健康な人がいるし、自分で動けるのに病気になる方向へ努力している人がいる。

 

不思議な地球人たちだ。

 

 

話がそれたが、指圧が身につくにつれ、そういうことが減り、おこらない。

 

 

指圧では、前頸部や腹部操作は基本である。

 

  

前頸部指圧で、腰椎や内臓の機能低下など感じやすいところになった。

 


50
歳男性の首の痛みは、基本指圧と脊柱調整で軽減・消失した。

 

 

 

しかし、これは繰り返される。

 

本人が生活習慣を見直し、仕事よりもまずは自分の身体を大切にしないと、治るものも治りません。

 

 

 生活習慣を改善しないと仕事も他人も大切にできませんよ、と先輩を叱る・教育することが面倒です。

 

面倒なことが大切である。

 

面倒なこと、手間をかけるところは、まさにそこにある。

 

 

 

その患者さんは、何度も何回も繰り返され通院してきます。

 

 

 

体はボロボロで大病も抱えているのに、生活を見直そうとしません。

 

 

 

残念ですが、本人が自覚したり、決意しないと改善しません。

 

 

あくまで自然治癒力を高め、本来の動きがだせるようにお手伝いしているコーチですから、私は。

 

 

 

結果をだすのは、選手であるその患者です。

 

 

 

結果をだすためには、内容が大切なのです。

 

 

 

内容、生き方と思うのですが、、、。

 

私の本気度が大切です。

 

大切ばかり、大切病か、私。

 

リラックスして明日のパパママコースに参加のため、早く寝ます、、、。