【病態】
関節軟骨の変性、摩耗により関節の破壊が生じ、
これに対応する反応性の骨増殖(骨骨化、骨棘形成)を特徴とする疾患である。
特発性のものと、二次性のものとに分けられる。
二次性のものでは、先脱臼、亜脱臼、臼蓋性形成不全などによるものが多い。
指圧療法の適応となるものは、特発性のものや先脱臼に起因するもので、程度の比較的軽いものである。
【症状、所見】
疼痛、可動域制限、種々の跛行などがみられる。進行すると、下肢の筋力低下がみられる。
【理学検査】
トーマステストにより、股関節の可動域を確認する。
【治療方針】
股関節周辺の循環改善と筋緊張の緩和を目的として施術を行う。
【施術例】
①仰臥位にて、殿部(特に中殿筋)、大腿後側部、膝窩部、下腿後側部の基本操作を行う。
その際、筋緊張を緩和させすぎないように注意すること。
②伏臥位にて、肩甲上部~仙骨部までの基本操作を行う。
③仰臥位にて、続いて、鼡径部~下肢外側部までの基本操作を行う。
特に腸腰筋を入念に施術すること。
④ 仰臥位にて、腹部、上肢、頸部の操作を行う。