【病態】
急性:急激な動作による筋筋膜の過伸展や部分断裂により起こる。
慢性:筋疲労や循環障害、組織の瘢痕化などにより起こる。
【症状、所見】
患部に限局した痛みがある。
急性は慢性より痛みが強く、疼痛性側弯がみられることがある。
前屈動作における痛みが特徴的所見である。
【理学検査】
本症特有の検査はないが、
中枢性の疾患、脊柱の疾患等との鑑別のため、
SLRテスト、FNSテスト、バビンスキー反射、
膝蓋腱反射、アキレス腱反射、棘突起叩打などの検査を行う。
また、FFDを術前術後に測定し、病状の把握と術後の効果の判断材料とする。
【治療方針】
局所の血流改善と筋組織の柔軟性の向上を図る。
【施術例】
1
仰臥位にて、鼡径部、大腿前側部、大腿外側部、下腿外側部を施術する。
鼡径部では、主に腸腰筋を指標に施術する。
腸腰筋の屈曲拘縮により、腰椎の生理的前弯が過度になっている場合が多いため、腸腰筋の筋緊張を緩和させることで腰部の筋緊張が緩和することが多い。
筋緊張が強い場合は、股関節を屈曲位に保持し、施術すると良い。
2
伏臥位にて、臀部、大腿後側部、膝窩部、下腿後側部を施術する。
特に、膝窩部には特徴的な硬結・圧痛がみられることが多いため、膝関節を屈曲位に保持し施術を行うと良い。
3
伏臥位にて、肩甲間部、肩甲下部を施術する。
4
腰部に向かって正座し、腰方形筋を狙って、腰部を横から押圧する。
その際、圧が強くなり過ぎないように注意すること。
5
腹直筋の状態を確認し、腹部の施術を行う。
6
上肢、頸部の操作を行う。